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|text=我が世耕山岳部のテリトリーへ臆せず、よく来たものだ。その勇気と冷静……あのザオウが認めた後輩なだけはある。だが山に入る時には常に道具を確認しろ、生命線だぞ。;クズザンポーラ、我が強敵ザオウの後輩よ。いつかお前があの神宿ワンダーフォーゲル部の部長の座を継ぐというなら、俺は貴様を試さずにはいられない。;どうした……ああ、あの雑誌を見たのか。俺は頼まれ登山用具ブランドの公式モデルをやっているのだ。この東京に住む者なら、俺の顔を見たのは一度じゃ済むまい。;部族の長は常に冷静たれ、冷然たれ、冷暖自知たれ。あのザオウという最高峰にクールな男のようにな! ……凄い顔をする、何かおかしなことを俺は言ったか。;うちの部員たちは皆、身なりにも気を付けている。最高峰たるもの、常に皆に試される側であるからな……ザオウがすごい目でこちらを見ている、何だ?;ん……どうした、この髪に積もる雪が気になるか。これのお陰で俺は常に頭をクールに出来る。お前にも少し分けて乗せてやろう……照れるな。;流石だぞ、ザオウ。常に周囲を高みより見渡し後輩たちに気を配っているのだな、クールだ! やはりお前はそうして俺の凍った心を熱くする……。;部活道具はうちの登山用具ブランドから公式提供されている……何、神宿はほぼ自費? バイト代でまかなっている? 流石はザオウ、自立の精神をそうして養っているのだな。;いらっしゃい、ませ。ここ、山のきゅうけいじょ。名物は、ビッグフット、こねた、おいしいそば、ある。ゆっくり休んで、また山、いどもう、うん!;おはよう。おれ、むかえにきた。一緒にゆこう。はぐれないように、手を繋ごう。そう、今からだ。……山に入ってから? おまえ、とても奥ゆかしい。;かなしい顔、なだれ、おきそう、だめ、いけない。来い……おれ、おまえの、ひえた心、あたためよう。おれ、白く毛深きもの、おまえの秘密、守るから。;ふるさとの雪山のおく、神秘の中に、おれはいた。だけど、今は東京の、高校生、ふふ、おかしい。この足跡も、いつか消える……でも、残したい、な。;毛深きもの。触られても、こそばゆいだけ。でも最近、毛、よく抜ける。まさかおれ、病気……えっ、換毛期? そのブラシ、何……あぁ。;水、きれい、流れ。冷たい、きっと雪解け。あたたかい、陽射し、ああ、水浴び、したい。そうだ、一緒に……どうした? おまえ、顔あかい。;東京のあの山は、みんなが知ってる「山」の概念。だからこそ、信仰、たくさん、その身にせおう。やさしい、どこかかわいそう……おまえと、にてる。;世耕の、ぶちょう。なまえ、ヒマヴァット。険しい雪山の化身……おれ、どこか、親しみ感じる。写真を撮ろう、おまえもおれも、溶ける、まえに。;いらっしゃいませ。こちら、山の休憩所で御座います。現在電力不足により、電子決済の対応は未定です。故に私が補完しましょう、ああまったく人類様の無能ときたら!;おはようございます我が主人。朝でございますよ。ほう。なんと無防備で、なんと情けない寝顔に寝姿……画像を保存。最重要機密として暗号化完了しました。;この義体は秋葉原の皆様が智慧を出し合い創造した物。合宿だと盛り上がり、皆で学園に泊まり込みでした。まったく騒々しい事甚だしい……。悪い気はしませんでしたが。;高度な演算性能を内包したこの義体において、放電と落雷と、タングリスニル先生はまさに天敵! 視界から……いやもっと、300mは離れて頂きたく。;貴方の為に創られたこの義体はこの時代での完璧解です。現代人誰もが求める、癒しに満ちたモフモフボディ! 試して御覧になられませ。……夏毛の私もよいでしょう?;暑い陽射し。未整備の山道。予期せぬ気象の変化……夏の登山など暗号生命たる私には理解できぬ蛮行ですね。精々気をつけられます様……どうぞ、麦わら帽子です。;長期休みとて、あまりだらしない生活をされませんよう。今後の計画は立てられましたか? ……無能、まさに無能。私が見ておりますので今すぐさっさとなさってください?;素晴らしい……この衣装の完成度には感嘆致しました。見た目とは裏腹に、高度な次元で磨かれた機能性……私が、浮かれているですと? そんな訳は、ありません。;よく来てくれたな後輩。山の休憩所へようこそだ。便利になったとはいえ、険しい山の物資は貴重だ。登山計画をしっかり立て、不足のないように、な。;おはよう。迎えに来たぞ後輩。いざ山へ出発! 登山は、朝早く出発して早く着くのが鉄則だぞ。……まだ朝どころか夜? 細かいぞ後輩は。このう。;おやまさんおやまさん。俺の相談聞いてくれる? 最近後輩のことが……。何、よつばのクローバー? って居たのか後輩! 今のは……え、助言が古い?;無事か後輩! 転倒か、落石か、高山病かっ!? 落ち着いていられるか! お前に何かあったら……。これから一緒に山に登れなくなる。そうだろ……?;ヒマヴァットか。なんか俺、目の敵にされてるな? 心当たり……普段通りに接してたはずなんだがな。え、それが原因? どういうことだ後輩?;あのなあ後輩。お前、俺を先輩と思ってないだろ。優しくナデナデするな! 年長者で部長だぞ俺! 何? 手触りと弾力が気持ちいい? ほっとけ!;高校3年生の俺にとって、この夏の山は特別さ。お前たちとの楽しい時も、これがラストランか。山はいつだってそこにあるのに……遠くなるな。後輩。;ひとつの山に、複数の異界化した山々か……。山の声が聞こえる。少し疲れた、だけど優しい声。行くぞ後輩。俺とお前で、この山の頂へ急行だ!;フフフ……。この魅力的な香りに惹かれましたか? 勿論シチューです! 丹精込めて作りましたよ。交換ひとつでもれなく一杯! さあどうぞ!;おはようございます。対抗戦へ向け朝昼晩も特訓です。さあ栄養補給にシチューを……暑いから遠慮したい? フフッ冷製シチューですのでご安心あれ。さあさあ!;天に稲妻轟かせ、夜空を駆けてきましたが、こうして一歩一歩踏みしめ山を登るのは久しぶりです。転ばぬようにしっかり先生の手綱を握ってくださいね。;指導の距離が近すぎる……すみません! え、冗談? こらっ、新米ですが私は先生、教師なのですよ。あまりからかうものではありません。めっ、です。;世耕農林学園の先端教育には、私もとても興味があります。作物の品種改良から畜産の再生医療までよりどりみどり……シチューの可能性について共同研究は出来ないでしょうか?;むっ、いきなりよろけてどうしましたか……まさか足のケガ? いけません、先生が抱っこして麓の病院まで運びましょう! さあさあ、ギュッとしがみついて、では飛ばしますよっ。;暑い夏もトナカイの天辺を目指す特訓に休みなし! この狭い世界でトップを狙う事が私の夢、そして貴方を運搬する仕事は、他の誰にも譲りませんので。;救難信号確認。現場へ駆け付けるのはお任せを! ソリ良し。積荷OK。GPSでルートもバッチリですね。さあさあ行きますあいたあっ! 足の古傷NGです……。 | |text=我が世耕山岳部のテリトリーへ臆せず、よく来たものだ。その勇気と冷静……あのザオウが認めた後輩なだけはある。だが山に入る時には常に道具を確認しろ、生命線だぞ。;クズザンポーラ、我が強敵ザオウの後輩よ。いつかお前があの神宿ワンダーフォーゲル部の部長の座を継ぐというなら、俺は貴様を試さずにはいられない。;どうした……ああ、あの雑誌を見たのか。俺は頼まれ登山用具ブランドの公式モデルをやっているのだ。この東京に住む者なら、俺の顔を見たのは一度じゃ済むまい。;部族の長は常に冷静たれ、冷然たれ、冷暖自知たれ。あのザオウという最高峰にクールな男のようにな! ……凄い顔をする、何かおかしなことを俺は言ったか。;うちの部員たちは皆、身なりにも気を付けている。最高峰たるもの、常に皆に試される側であるからな……ザオウがすごい目でこちらを見ている、何だ?;ん……どうした、この髪に積もる雪が気になるか。これのお陰で俺は常に頭をクールに出来る。お前にも少し分けて乗せてやろう……照れるな。;流石だぞ、ザオウ。常に周囲を高みより見渡し後輩たちに気を配っているのだな、クールだ! やはりお前はそうして俺の凍った心を熱くする……。;部活道具はうちの登山用具ブランドから公式提供されている……何、神宿はほぼ自費? バイト代でまかなっている? 流石はザオウ、自立の精神をそうして養っているのだな。;いらっしゃい、ませ。ここ、山のきゅうけいじょ。名物は、ビッグフット、こねた、おいしいそば、ある。ゆっくり休んで、また山、いどもう、うん!;おはよう。おれ、むかえにきた。一緒にゆこう。はぐれないように、手を繋ごう。そう、今からだ。……山に入ってから? おまえ、とても奥ゆかしい。;かなしい顔、なだれ、おきそう、だめ、いけない。来い……おれ、おまえの、ひえた心、あたためよう。おれ、白く毛深きもの、おまえの秘密、守るから。;ふるさとの雪山のおく、神秘の中に、おれはいた。だけど、今は東京の、高校生、ふふ、おかしい。この足跡も、いつか消える……でも、残したい、な。;毛深きもの。触られても、こそばゆいだけ。でも最近、毛、よく抜ける。まさかおれ、病気……えっ、換毛期? 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