Event Quest:Make Sail! Golden Treasure Ship:VN
無線:
――ガガ―――ガ――――――――― |
東京に現れた異界の海。 |
無線:
バカヤロウ! ここまで来たんだ。 |
無線:
おうとも! こんなに船がゴロゴロ沈んでる海域、 |
無線:
こんだけ苦労してんだ、真っ当な海賊を慰める |
大嵐という悪天候の中。海賊たちの手によって、 |
木の海賊:
おォ……すげェ……! |
火の海賊:
へへっ! 遂に見つけたぜ、沈没船の宝ァ! |
水の海賊:
どれ、引き揚げたもん見てみるか。 |
火の海賊:
スゲェ、<ruby=まばゆ>眩いほどの――黄金の輝き! |
見たこともないほど大量に詰められていた金銀財宝に、 |
……だが。 |
木の海賊:
―――ちょっと待てよ、 |
火の海賊:
楽器の音だァ? こんな大嵐に? |
???:
ウフフ……ウフフフ…… |
火の海賊:
あァッ!? 楽器の……楽器の音が……! |
火の海賊:
やめろ……やめろぉっ!! |
木の海賊:
へ、<ruby=へさき>舳先が……ッ! |
水の海賊:
やべえ、やべえよ! |
火の海賊: <size=40>沈む――ッ!</size> |
広大な海原に楽器の音がこだまする。 |
ある者は気を失い、 |
音の波は、海賊たちが乗ってきた船すらをも壊し尽くし―― |
そして、生き延びた海賊たちは、 |
海上で聞こえた「楽器の音」と、 |
Ryota:
じゃっじゃ~~ん! |
Ryota:
今日のランチデザートは |
Ryota:
味は保証付き! 先に食べたチョウジが |
Ryota:
あの時のチョウジ、 |
ふむ……これは、一口サイズの<ruby=まんじゅう>饅頭か。 |
Ryota:
でしょでしょ? この淡い色が食欲そそるよねっ。 |
Ryota:
元は小料理屋さんのデザートだったんだけど、 |
ほう、7色のまんじゅうが、金の箱にぎっしり。 |
それにしても、午前中完売でよく買えやがったな。 |
Ryota:
サボってないから! 3限目、体育でやったバスケ、 |
シロウ、君はどう思う? | ||
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そういえば最近サボらないね、ケンゴ | |
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リョウタはそんなことしないよ | |
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――して。左様ならば、リョウタ殿。 |
Ryota:
これはさっき、ジブリールちゃんが持ってきてくれたんだ。 |
Ryota:
そんなことより早く食べよう! お昼休み終わっちゃう! |
おっ、気がきくじゃねぇか。 |
拙者、まんじゅうは大好物<ruby=ゆえ>故……何色か迷いますな。 |
Shiro:
俺もいただいていいかな。この赤いの。 |
では! |
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いただきまーす! |
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あーん | |
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3人: (もぎゅもぎゅもぎゅもぎゅ……) |
……むむっ! |
これは――! |
美味しい! |
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栗が入ってる! |
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オレのはチョコ味だな! |
はふっ……緑はお抹茶であり申した。 |
Shiro:
赤いのは小さなイチゴが丸ごとだ。 |
……………… |
Ryota:
トウジもそんなトコから見てないで、ほら! |
い、いや、薬師丸リョウタ。 |
Ryota:
これが意外と、チョコやクリームもバッチリ「和」でね。 |
ええいっ、強引な! |
Shiro:
そういえば、このまんじゅうを |
どうしたよ、シロウ。 |
Shiro:
いや……ちょっと小耳にはさんだ話を思い出してな。 |
あー……ガラの悪い「転光生」どもが広めたヤツだろ? |
黄金の財宝が積まれた沈没船を引き揚げようとして、 |
Shiro:
そうだ。そして今、噂の出どころである「中野」が、 |
Ryota:
全然? この前、中野にソフトクリーム食べに行ったけど、 |
Shiro:
やはり、か。そもそも出どころが不信極まりないしな。 |
沈没船……? |
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中野……? |
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Shiro:
いや、わかっていた。わかってはいたさ。 |
Shiro:
詳細を聞こうとしたら、ひどい目にあったとも聞く。 |
どうせ嵐がひどすぎて幻聴でも聞こえたんだろ? |
Shiro:
汚いな! それを言うなら「眉」にツバだろ! |
つーか、お前がンな怪しい儲け話に |
Shiro:
ふ、ふふ……聞きたいか? |
Shiro:
あれをもし、ある日いきなり「返してくれ」と言われたら―― |
まあ、何とかなるって |
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自分まで胃が痛くなってきた |
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皆でクロードの靴を舐めよう | |
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Ryota:
で、でも、沈没船に黄金の財宝ってロマンだよね、 |
なんだよリョウタ、 |
Ryota:
もっちろん! 「黄金」が手に入ったら、 |
Ryota:
まずは品川の高級ホテルのデザートバイキングでしょー、 |
やっぱり食い意地かよ、 |
ははは。いきなり巨万の富を得られたとしても、 |
けどま、夏にしか海に行かないオレらには、 |
ケンゴとまた海いきたいな | |
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ケンゴは黄金に興味ないの? |
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おう、いいぜ、相棒よぉ! |
Shiro:
ケンゴ……。 |
あっ……やべッ! |
えーと……! 丘とか、 |
Shiro:
話が脱線してるぞ、ケンゴ。 |
なんだよ! せっかく相棒がその気になってんだから、 |
汗を掻くには程よい気温だし、 |
弁当は、シロウに用意させようぜ。 |
Shiro:
うん。 |
黄金の財宝なぁ……正直、興味ねぇよ。 |
最悪、なんかあったらメシはシロウにたかるしな。 |
Shiro:
うん。 |
シロウの手料理…… |
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シロウはもう興味なしの御様子 |
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Shiro:
えっ……俺の料理に興味がある? |
Shiro:
なんだったら今晩―― |
おいコラ! なんだよその対応の差! |
まあまあ。落ち着かれよ、皆様方。 |
明後日からは全校学力テスト。 |
それに、この後の授業では |
Ryota:
ああああううぅぅぅっ! その話はやめてよ犬塚! |
Shiro:
そうだな。せっかく丁度いい茶菓子もあるし、 |
Ryota:
え、この七色まんじゅうは、 |
リョウタ殿。拙者も苦手な英語を頑張ります故―― |
………おっと、オレ、用事思い出したわ! |
Shiro:
……ケンゴはさっそく逃げたか。 |
Shiro:
それじゃ―― |
Shiro:
<param=playerName>はあのバカのことを |
Shiro:
<param=playerName>もギルドのマスターとして、 |
かくして、午後の授業のために各々の席に戻る一行。 |
Mr. Triton:
よぉし、皆! 昼休みは終わりだ。 |
Shiro:
――僕ならここにいます。 |
Mr. Jinn:
よし。5時限目は20分間の小テストから始める! |
Mr. Jinn:
――あと<ruby=もとおり>本居、お前は<ruby=たかぶし>高伏の拘束を解いてやるように。 |
Mr. Triton:
何をさも自然に俺と入れ替わっとるかぁっ! |
Mr. Jinn:
何を小さい事を言ってやがる! |
Mr. Mononobe:
……。 |
Mr. Triton:
……ぬおっ!? |
Mr. Triton:
あ、いや、これは―― |
Mr. Jinn:
いやはや。同じ副担任として恥ずかしい。 |
Mr. Mononobe:
ジン先生。小テストの監督は私が行いますから、 |
Mr. Jinn:
そ、そんなぁ~っ! |
Mr. Triton:
お、俺は完全にとばっちりではないか! |
Ryota:
ははっ。なんかいつもの光景だねっ。 |
Mr. Mononobe:
後ろの席まで、行き届いたな。 |
<ruby=もののべ>物部先生の号令と共に、 |
つい先日まで、耳をつんざいていた |
気候はすっかり過ごしやすくなり、 |
黄金の沈没船かぁ…… |
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楽器の音ねぇ…… |
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夏の名残をかすかに残した教室に、 |
船といえば―― |
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音楽といえば―― |
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そう言えば海で冒険したっけ |
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海、船……なんか気になる |
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皆、元気かな? |
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中野……音楽…… |
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…… |
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ふーっ |
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放課後―― |
またも逃げたケンゴをシロウが追い、 |
<param=playerName>はひとり、教室を出て行こうとする。 |
そっちは駅の方向だな。 |
トウジ! |
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話を聞いてたの? |
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……勘違いをするな。 |
「黄金の財宝」に「沈没船」か? |
この「東京」においては、充分にあり得る。 |
まったく……本居シロウも遠回しに諦めさせようとしていたな。 |
噂に興味が無いわけじゃないけど |
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それより、ちょっと気になることが |
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何? 友人が首を突っ込むかもしれない? |
事情は分からんが、それを止めたいというのなら―― |
まったく、御節介な奴よな。 |
詫びついでに、あいつらには適当に言っておく。 |
ありがとう、トウジ |
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またね、トウジ |
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――ああ、それじゃあな。 |
中野か…… |
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沈没船か…… |
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謎の確信を胸に―― |
大変で。大騒ぎな。 |